食べてしまいやすいもの

異物カテゴリ:
傷つけ・詰まる異物
危険度:
A~C

ビニール

ビニールの特徴・誤飲時のリスク

ビニールと一口にいっても色々なものがあります。薄くてフニャフニャのものから分厚く固いものまで。多いのはやはりレジ袋などのビニール袋で、その中に入っていた美味しいものを盗食する際に一緒に飲み込んでしまったというパターンです。この場合、目当ては中身でビニール袋自体は邪魔物なので、多くの場合は破られて小さな破片になったビニールの誤飲で、これは危険度は低いです。

しかしビニール袋をほぼ丸ごと飲み込んでしまった場合などはやはり閉塞を起こす可能性があり、胃から腸に流れ込む胃の出口の部分(幽門部)に張り付くように塞いでしまう症例は多く認められます。この場合の症状は食餌を食べるたびに頻回の嘔吐です。

腸の奥で詰まってしまった場合は開腹手術をしないと摘出できませんが、胃の出口で詰まっている場合は開腹をしないでも内視鏡での摘出が高い確率で可能です。疑いが少しでもある場合は動物病院でしっかり診断してもらうようにしましょう。

 

ビニール誤飲時の主な処置

ビニールを飲んじゃったんだけど、時間が経てば消化されますよね?とオーナー様に質問されることがありますが、残念ながら絶対に消化はされません。しかしビニール自体はほとんどの場合は軟らかい材質ですので、吐かせる処置(催吐処置)が有効です。丸まって小さくなって吐物と一緒に吐き出される可能性は充分にあり、また食道を逆流してくる際に粘膜を傷つけたりする危惧もありません。

既に嘔吐の症状が強く出ている場合は、吐いても出てこない状況(胃の幽門部に詰まっている等)が予測されますので、さらに催吐処置を重ねても意味がありません。この場合は全身麻酔下での内視鏡や開腹による摘出処置が必要になる可能性が高いです。

そんな症状が出てきてから動物病院に駆け込むより、飲み込んだ可能性が高いのなら症状の出現を待たずに早い段階で動物病院を受診することをお勧めします。また受診の前に食餌を与えず、できるだけ絶食の状態で受診したほうが診断に有利な場合がありますので、留意しておきましょう。

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